当番世話人挨拶

第11回日本肝がん分子標的治療研究会の開催にあたりまして

第11回日本肝がん分子標的治療研究会
当番世話人 斎藤明子
東京女子医科大学消化器病センター消化器内科

第11回日本肝がん分子標的治療研究会-分子標的治療・今後の展開に期待して-(平成27年1月31日:東京・海運クラブ)を開催させていただくにあたり、ご挨拶を申し上げます。

本会は肝癌に対する初の分子標的治療薬Sorafenibが臨床の場に導入され、治療の場が変わると期待された2010年1月に第1回が開催されました。その後年2回の会を重ね5年を経過した現在、肝癌では世界で最も多い23700例に本剤が投与されております。この間、得られた知見は多々ありますが、未だに効果判定、予後予測、投与開始時期、終了の時期、進行肝癌に対するSorafenibの位置づけなど、明確な結論が得られていない現状です。

そこで今回は、TACE不応の定義により肝癌治療はどう変わったか、STORM試験の結果を踏まえた再発に対する治療戦略、CR / PR例の解析、などを課題とし、また1st line、2nd lineの薬剤が続かない中で肝細胞癌臨床試験の打開策を探るなど、今後の展開を考える機会に致したいと存じます。特別講演はProf. J Zucman-Rossi のMolecular classification of HCCで世界の趨勢を知りたいと思います。

1月の寒い東京を本研究会で盛り上げていただきたく、皆様の多数の演題応募と活発な討論を期待致しております。